「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」を読んだ
今回は↓の読書日記です。
読み始めたきっかけ
中高生の時に読んだことがある戯言シリーズですが、ひょんなことから読み直しています。
本書は2巻目ですが、1巻目の感想も書いていますのでぜひ。
きっかけというよりも宣伝のようになってしまいましたが、要するに続きを読みたくなったということですね。
簡単なあらすじ
前巻の後、少し時間が飛びますが、今回は主人公と大学の同期と殺人鬼の間で繰り広げられるお話になります。
京都のとある大学で、ある日突然クラスメイトを名乗る人に声をかけられ、なぜかそのままその人の友人グループで開く誕生日パーティーに誘われ、
その一方で、京都の町中をふらふらしている最中に、巷で話題の殺人鬼に命を狙われてなぜか仲良くなり、
そして誘われた誕生日パーティーに顔を出した次の日、誕生日パーティーの主役だった子が殺人された状態で見つかり、、、
というお話です。
こうして列挙してみると訳が分かりません内容がもりだくさんですね。
感想
例によってネタバレなしの感想です。
京都の地図を思い浮かべながら読むのが楽しい
これを初めて読んだ中高生の時は、京都の地名が出てきても、特に土地勘がないので基本読み流していました。
ですが、数年前に京都に住んでいたという身分で今回読み直してみると、これめっちゃ楽しいですね。
もちろん、主人公が通う大学自体は架空の学校ですし、中にはわからない地名も出てきました。
でも、河原町とか八坂神社とか、鴨川とか鴨川の等間隔とか(もはや地名ではないですね笑)、
「ああ、今あのあたりにいるのね」
と、実際の風景や地図を思い浮かべつつ読めるじゃありませんか。
内容はファンタジーなのですが、妙に現実とリンクする感じが不思議ですね。
何というか、聖地巡礼というものをしたくなる人々の気持ちが少しわかりました。
と同時に、物語の舞台になりやすい場所に住んでいる人(東京とか?)が少しだけうらやましくなりました。
叙述トリックを感じた
叙述トリックというものがあります。
ニコニコ大百科によると
叙述トリックとは、読者の先入観や思い込みを利用し、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にぼかしたりすることで、作者が読者に対してミスリードを仕掛けるトリックである。
というものです。
要するに、作者が読者を言葉巧みに騙してくるんですね。
こう書いてしまうと詐欺師のようですが、今回はそのトリックを感じました。
たぶんヒントがあちこちにあるわけではないので、完全なトリックではないのでしょうけど、ずっと主人公視点なのに、ずっとその思考を追えているはずなのに、なぜか全然違う解釈をしていたことに途中で気づきました。
前巻に引き続き、最後に人類最強の人と話すことで主人公が種明かしをしてくれるんですが、その後の独白でまた一部をひっくり返してくるし、「この主人公、まだ何か隠しているのではあるまいな?」と疑いの目でみてしまいます。
つまるところ、こういうタイプの本は読み返したくなるよね、ということですね、マル
殺人鬼と主人公の会話が好き
なぜか昔読んだ時も今回も、この巻の主人公と殺人鬼の会話がすごく好きです。
会話というか掛け合いなんですが、なんというか、他の人との絡みだと絶対に出してこないような雰囲気を出してくるんですよね。
別に気安い間柄ではないんだろうけど、会話が止まる気配がない感じが安心感があり好きです。
この先にこの殺人鬼は出てくるんでしたっけ?
あんまり覚えてないですが、今後も出てきてくれると嬉しいですね。
読了日
2023.6.22